税務情報

非上場株式等に係る贈与税、相続税の納税猶予制度について

「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(以下、「経営承継円滑化法」と言います。)の制定を受けて相続税法が改正され、非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例及び贈与税の納税猶予の特例の規定が創設されました。

 相続税の納税猶予の規定は平成20年10月1日以降の相続等に、贈与税の納税猶予の規定は平成21年4月1日以降の贈与に関して適用されます。

 贈与税の納税猶予額は、贈与者または受贈者の死亡により免除となります。贈与者が死亡した場合には、その相続財産と合算して引続き相続税の納税猶予の適用を受けることも可能です。これにより、株式等の評価が高く、先代経営者からその後継者への経営の承継に困難をきたす会社における承継が以前よりも円滑に行えるようになるものと期待されています。

 しかし、この新しい事業承継税制の適用にあたっては、先代経営者の適用要件、後継者の適用要件及び対象会社の適用要件といった様々な用件をクリアする必要があると共に、相続開始前あるいは贈与の前における経済産業大臣の確認と、事後申告期限までの間における認定が必要となるなど手続きが複雑です。

 また、納税猶予期間中は後継者が取得した非上場株式等を継続保有し、所定の時期に所轄税務署に「継続届出書」を提出しなければなりません。更に、納税猶予期間中に猶予要件を満たさなくなった場合には猶予されている税額の一部または全部に利子税を付して納付しなければなりません。

 従って、この制度を利用しようとする場合には周到な準備が必要になります。納税猶予の対象となる株式等は議決権株式の3分の2までという制限がありますし、納税猶予額も相続税の場合は税額の80%です。このことを踏まえて、まずは自己が保有する非上場会社の株式等とその他の財産を含めて相続税が課税されるのか否か、課税されるとしたらその税額はどの程度かを計算することから始めなければなりません。

 相続税が課税されるとした場合、この制度を利用することによりどの程度相続税が軽減されるのかを計算し、その結果を検討したうえでこの制度を利用するかどうかを決定する必要があります。

 また、風俗営業会社はこの適用が受けられませんし、資産保有型会社や資産運用型会社に該当する会社の場合は、適用を受けるための要件が厳しくなっています。いずれにしても、十分な検討が必要となります。

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